人のために役に立ちたいという思いで介護職を目指され、尽力されていらっしゃると思います。

介護の仕事は楽しいですか。やりがいを持って取り組んでいますか。

よっしゃぁ!

 「はい」と大きくうなづいた方は幸せです。

 仕事というものは、ただやればよいというだけではなく、成果が求められます。しかし、成果をあげるためには様々な制約が邪魔をする場合があります。それらをクリアすることも、仕事の一部になります。

  • 時間的制約
    訪問介護では利用時間の短縮が求められるなど、短い時間内で効率よくサービスを行うことが求められています。通所事業所や施設においても、限られた人員で業務をこなさなくてはならず、残業や休日出勤などのオーバーワークが心配されます。
  • 職域による制限
    看護師や理学療法士などの資格がないとできない業務や、加算算定や人員配置上の理由による制限など、現場の実情からは厳しいという側面もあります。できるのに手を出せない、良かれと思ってやったことがあだになる、などのもどかしさを感じることもあるかもしれません。
  • 職場内のルール
    指示系統が曖昧だったり、職員によって解釈が異なったり、職員間の連絡や連携が不行き届きだったりすると、業務の遅れや事故につながります。業務手順などをマニュアル化することは、効率が良くなるとともに、ミス防止になります。
  • 経済的制約
    予算が無い・・。何か問題を解決しようとしても、この一言でストップしてはお手上げです。お金がないのではなく、お金のかけどころが違う場合もあります。
  • 本人やご家族の要望
    介護保険制度への理解と協力は、契約時にしっかりとお願いする必要があります。介護事業において利用者満足は第一ですが、過度な要求には毅然として対応しなくてはなりません。また、同情心からの言動にも注意が必要です。感情に流されては、正しい判断ができなくなる危険性があります。

 などなど、簡単に成果をあげるのが難しい場合があります。

介護職の未来  介護職に未来

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 そのほかにも、職員自身のほうに壁がある場合もあります。

  • 職員自身の家族の理解
    職員自身がやりがいを感じて仕事をしていたとしても、給与などの待遇面や勤務時間や休日など、家族の希望と合わない場合もあります。家族として、健康面を心配したり、将来性を案じたり、条件的なことに目が行くのは無理からぬことです。
  • 体力的限界
    入浴などの身体介護は腰痛の原因にもなり、長時間勤務や休憩が取れない現場の実態など、身体的・体力的に勤務継続が難しくなることがあります。
  • 人間関係
    職員同士、上司への不満、利用者や家族との関係など、人間関係が大きく影響する職場です。連携が必要な職業であるにも関わらず職員同士の人間関係に問題があれば、介護サービスの質に影響します。マネジメントが重要です。
  • 時間的余裕
    急いて手際よく片付けるというよりも、相手のペースに合わせて行なう介護は、どんなに有能な職員であっても最低限の時間はかかります。そのため、書類を書くなどの業務は時間外になってしまうこともあります。
  • 考え方、価値観の相違
    事業所や施設の企業理念や運営方針は理解していますか。介護に対する思いや考え方は共感できますか。会社の事業計画は知らされていますか。経営側と職員が心をひとつにして同じ方向を目指すことが、モチベーションを高めます。

介護は、人の役に立つやりがいのある仕事。社会的意義があります。


介護職の資格は初任者研修からスタート

 介護職のための入門研修として、介護職員初任者研修があります。旧ホームヘルパー研修です。
 訪問介護員として働くためには、初任者研修を修了が必須になります。デイサービスなどの通所事業所内や老人ホームなどの施設内で働く場合は、必ずしも必要ではありません。(もちろん修了が望ましい)
 
 厚労省が示している介護職員のキャリアパス構想は、初任者研修 → 実務者研修 → 介護福祉士 → 認定介護福祉士です。


得意分野を探求しよう

 また、介護関連資格だけではなく、現場で役に立つ得意分野を持つことをお勧めします。専門分野を持ち、事業所内の第一人者を目指しましょう。

  • 認知症ケアー
    認知症は介護現場においてもきわめてウェイトが重い課題であり、専門性のあるなしが問われる分野です。その種類によっても対応が異なり、間違ったケアーは進行を早めたり状況を悪化させたりする危険性があります。
    • 認知症の種類
      認知症種類の割合
      • アルツハイマー型認知症
      • レビー小体型認知症
      • 脳血管性認知症
      • 前頭側頭型認知症(FTD)
      • 若年性認知症
      • アルコール性認知症
      • 正常圧水頭症(NPH)
      • まだら認知症
        ※認知症割合については概算であくまで参考です。詳しくは、厚生労働省HPの「認知症への取組み」のページをご覧ください。

※そのほかにも、様々な取組みや手法が研究されています。
解明されていない領域もまだまだあります。

  • 口腔ケアー
    食べることは生きる意欲につながります。また誤嚥性肺炎予防の観点からも口腔ケアーの大切さが見直されています。口腔ケアーは、器質的ケア(口内の衛生)と機能的ケア(口や舌の動き)の大きく2つに分類されます。器質的ケアは歯科医・看護師の指導など医療的領域になります。機能的ケアは、口腔ケア―体操の実施などです。
  • レクリエーション
    レクリエーションというと、お遊びと揶揄されることもありますが、自立生活に戻るための機能的・社会的訓練です。アクティビティと呼ばれることもあります。介護職員の大事な役割の一つです。
    • アクティビティ講師の登録・派遣 You-us
  • レスパイトケアー
    レスパイトとは、小休止という意味です。介護のため精神的・身体的に疲弊している家族や、介護離職や老老介護の支援の必要性から、介護保険制度の目的の一つとしてレスパイトケア―が盛り込まれています。民間団体の活動として、ケアラーズカフェなども広がっています。
  • 運動指導 
    介護予防と機能維持の運動は、自立支援に欠かせないメニューです。高齢者にあった運動のやり方は、若く健康な人に対して行うのとは気を付けなくてはいけないことがいくつかあります。単にスピードを遅くしてやればよいというものでもありません。また、本人がやる気がない状態で無理に運動をすることは、かえって筋肉や筋を傷めることにもなります。意欲を高めるための声掛けなど、指導者としての役割りを理解する必要があります。

介護職のビジョン

 そして、将来的にはどうなりたいか、どういう仕事をしていたいか、自分自身のビジョンを持ちましょう。

  • 介護のスペシャリスト
    要介護者と直接触れ合う現場の仕事が一番好き!ということであれば、そのまま介護職のスペシャリストとして邁進してください。
  • 研修・セミナー講師
    人に教えることが好きならば、研修講師としての道も拓けます。
  • 管理者・施設長
    マネジメントが得意であれば、管理者や施設長など事業所や施設の管理職を目指します。
  • 介護事業所経営
    自分の理想の介護をしたいから、起業して事業所を持ちたいという人もいるかもしれません。
  • 介護職経験を生かした商品開発など
    他業種への転身もあり得ます。介護経験を生かした商品開発など、メーカーも介護に詳しい人を求めています。
  • フリーランスのプロフェッショナルケアギバー
    質の高い介護サービスを希望し、相応の対価を支払うのは当然と考える人は一定層います。介護保険を使わずに自由にサービスをお願いしたいというニーズに応える、フリーランスは今後増えていくと思われます。

どういう自分になりたいか、そのために今何をしたら良いのか。

 将来ビジョンを持って仕事に取り組むと、目の前の少々の壁は乗り越えられるようになります。そして、目標に向かってやるべきことが変わってきます。経営者やマネジメント人材になりたければ、資金を貯めたり、ビジネスセミナーに参加したり、あるいは簿記の勉強なども有効です。

 セミナー講師として活躍するには、机上の勉強だけではなく、会議の傍聴をしたり、異業種交流会に参加したり、色々な事業所を見学したり、自分の目で情報を得ることが大切です。

将来ビジョン