介護事業のマネジメント

マネジメントの必要性

 介護の現場は高齢者の「安全」が第一優先で、職員の目は常に利用者に向いています。
 
 介護の仕事は個々の職員の資質や能力に頼るところが大きく、通常の介護サービスはもとより「何かあった時」の対応も職員の「機転」や「誠意」で何とか切り抜けるという実態があることは否めません。

 介護事業所の現場の疲弊は、利用者に影響が及びます。介護サービスの質の低下、さらには虐待につながりかねません。虐待は、身体的虐待、精神的虐待(言葉の暴力など)、経済的虐待、そして放棄や放任などです。

 職員の不安やストレスを軽減し、本来の業務に集中して取り組めるようにマネジメントすることが必要です。

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↓ トータルに学ぶ介護事業のマネジメント

トータルに学ぶマネジメント

マネジメントとは

 マネジメントは「管理」という意味です。事業においては、「目的に向かって業務を遂行するために、効率よく管理・采配すること」と発展的な意味も含みます。

 企業におけるマネジメントは「人材・資金・商品・情報」の4つに整理されることが多いです。

 介護事業では、介護計画と成果を把握するケアーマネジメントが重要です。おもにケアマネジャーが担う役割ですが、個々の事業所においてもケアーマネジメントはしっかりと行う必要があります。

 また、対人援助職である介護職は、職員の質がサービスの質に直結すると言っても過言ではありません。良い人材を確保し、定着して働いてもらうためには、スタッフマネジメントも欠かせません。

 そして、高齢者の命を預かる現場としては、災害やその他の事故を予防することも重要です。ヒヤリハットのナレッジを共有することや、予防や訓練の実施など、リスクマネジメントも大切です。

 一口にマネジメントと言っても、それぞれの分野ごとにやるべき内容は異なり、特定の職員だけに全部を任せるには荷が重くなります。職員個人の機転や能力に頼ることなく、基本的な行動指針を明確にしておくことが必要です。

ケアーマネジメントケアマネジャーが行う一連の業務だが、各事業所でもそれぞれに同様にマネジメントが必要
介護のPDCA(計画と成果)を管理し、利用者に適切な介護サービス実施
スタッフマネジメント対人援助職において、人材の質はサービスの質に直結
指示系統、権限の委譲など、職員が納得する制度の整備
職員の心身両面の健康維持に配慮が必要(パワハラ、セクハラ)
リスクマネジメント介護事故や虐待の防止(ヒヤリハット、事故報告書、救急搬送の手順)
災害、感染、情報漏えい(予防や訓練)


今、求められているリーダーの「決断力」

 現在、介護業界は急激な変化が進んでいます。介護報酬が引き下げられ、介護保険以外の収益をあげるべく、事業者は様々な事業展開を模索しています。

 国の方針に従ってさえいれば経営が成り立っていた時代は終わりました。

 介護保険と、介護保険外の収益の、両方を確保しなくては、職員が安心して働くことはできません。混合介護という言葉も生まれましたが、制度や事業の枠を超えた取り組みが始まっています。

 情報を入手し、どういう方向に進むか「決断」を迫られています。瞬時の判断を見誤ると負のスパイラルに陥る危険性があります。方向が明確でないと、職員は混乱し、不安になります。

 決断力を鍛え正しい判断をするには、情報を入手して判断材料をそろえる必要があります。そのために、外部研修などにも積極的に参加して、アンテナ感度を上げることをお勧めします。