ESとは

 ESとは、Employee Satisfaction の略です。従業員満足と訳されます。

 CSCustomer Satisfaction顧客満足)と対比して使われる用語です。

ES4CS


 介護事業以外のあらゆる業界においても、「ESなくしてCSはない」とかねてより言われてきました。
 従業員が働きやすい環境を整えることは、経営者の責務です。

 職場環境を整え、従業員が個々の力を最大限発揮すれば、良い商品が生まれ、良いサービスが提供できるようになります。

  • 対人援助職がメインの介護事業においては、
    人材の質がサービスの質に直結します。
  • 労働力不足が深刻化する今、
    職員の確保と定着は切実な課題となってきています。

 事業所運営を継続するためには、利用者獲得は必須です。しかし、そのために職員の不満解決を後回しにする時代は終わりました。

 顧客獲得(売上)だけを追い求めていては、職員のモチベーションを下げ、離職につながる可能性もあります。職員が定着しない職場は、業務の効率が悪く、サービスの質の低下も招きます。結局は負のスパイラルに陥り、売上減少は必至です。

 利用者満足を高めるためには、職員満足も高めることが大切です。つまり、上限のある数字の中での配分ではなく、どちらも高めることができるということです。そして片方だけを高めるよりも、両方を一緒に高めていったほうが良い結果につながるのです。

職員が生き生きと笑顔で働く職場は、利用者にとっても居心地の良い空間です。

 ES(職員満足)とCS(利用者満足)の上昇スパイラルで、事業所の安定運営を目指しましょう。

 働きやすい環境づくりは、処遇や待遇の改善だけではなく、従業員本人のスキルアップやマインドアップが大切です。

 スキルアップをすることで仕事の質が上がり、マインドアップ(意識を変える)することで意欲的に取り組むようになり、工夫や知恵が生まれます。

 職員のやりがいや生きがいは、職場全体を活気で満たします。職員同士が良い影響を与え合い、人間関係が良好になります。

 そのために、研修やワークショップなどを計画的に実施することが大切です。

与える満足と自ら生み出す満足

 ここで誤解してはいけないのは、職員満足は経営者が与える満足だけではないということです。経営者ができるのは、満足を生み出す環境を整えることです。

 職員満足というと、処遇改善、すなわち給料アップを思い浮かべると思います。確かに功労評価として、給与・待遇を良くすることは然るべきです。しかし、意味もなく待遇を良くすることは、短期的には効果があるかもしれませんが、継続は難しいのです。むしろ反動で急低下する危険性をはらんでいます。増長は、事業所のためにも本人のためにもマイナスになります。

 一番大切なのは、職員自らが問題解決をし、意欲を持って働くようになることです。そのためには、問題解決能力を高めることが必要です。

 介護職の意義や役割を認識し、福祉の心を目覚めさせ、具体的にやるべきことがはっきりとわかると、働くことに充実感を感じるようになります。

  • 何をどうして良いか分からない。
  • 一生懸命やっても評価されない。
  • 経営者と従業員の方向性が一致していない。
  • 将来的な展望が持てない。

 モチベーションダウンの理由はひとつではありません。何か事故的な問題があれば職員もはっきりと経営者に改善を求めることができるのですが、もやもやが集まって不満がくすぶっている状態では、意見としてあげるのは難しいでしょう。

 経営者またはリーダーは、職員の様子を良く観察し、不満を察知する敏感さが求められます。

 「言いたいことがあるならはっきり言いなさい」と問い詰めるのは逆効果です。言えるような環境を整えることが先決です。

職員の声に耳を傾け、風通しの良い職場環境を作ることが大事です。